思い出の蛇革バッグが鷹工房のリメイクでふっくらトートバッグに変身

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蛇革バッグのリメイクのご依頼

リメイクをご希望のお客様が持ち込みされたのは、お若いころに一目ぼれして、がんばって手に入れた蛇革の手提げバッグ。外側は、色あせはしているものの目立った傷みはありません。しかしファスナー取り付け部分と内側は、傷みがひどくてそのままでは使えない状態でした。

バッグを甦らせるための打ち合わせ

ずっとしまい込んでいたのですが、思い入れがあって処分するのもしのびなく、思い切ってリメイクしてもう一度よみがえらせたいと、工房にお見えになりました。

お客様のご希望としては、ふっくらと丸いフォルムのトートバッグにしたいということでしたが、一枚革ではなく、10枚の色違いの革をパッチワークで縫い合わせた作りなので、どういう方法でやれるのかはバラしてみないとわからない部分がありました。

なので打ち合わせではバッグの大きさと、形、ポケットの大きさと数、持ち手は再利用するなどの項目を決め、足りない部分にプラスする革の色やデザイン等についてはお任せいただくということでお引き受けいたしました。

バッグを甦らせるためのリメイクを引き受ける決めて

リメイクの仕事は、素材の代えがないので失敗が許されません。もちろん一度バラしてしまったら元通りにすることもできませんので、引き受けたからには途中でやめる選択肢はありません。

ですからご相談にお見えになった段階で、ご希望を聞きながら頭の中でいろんな方法や手順を考えます。一から新しく製作するのとは全く違って、限られた素材を使っての製作ですので、依頼を受けるか受けないかは一瞬のひらめきとできる!という直感が決めてになります。

そして、お客様の大切な想いを受け止め、一旦お引き受けしたからには何としてでも完成させる。創作意欲とアイデアがどんどん膨らんできます。

思い出のバッグ 蘇りの工程

まずはバッグをバラす作業です。大変薄くて柔らかい革なので、破いたり傷つけたりしないように、細心の注意をはらいながら慎重に丁寧に、一目ずつ縫い目をほどいていきます。

ほどきおわったら、使える部分だけを選び出し、どういう方法で丸い形を作るかを考えました。

  

今回のバッグは、革自体はほんとに薄くて、裏にウレタンを当ててありました。二人で相談しながら、パッチワークの継ぎ目にダーツをいれて膨らみを出し、楕円の底をつけることにしました。

  

使える部分はできるだけ全部使って、お客様のご希望のサイズと形に仕上げるためには、ダーツの入れ方と底の大きさをどれくらいにすればベストなのか大変悩みました。

リメイクでは、革は一度切断したら最後、戻すことも、違う革で作り直すこともできません。なので切断する前は、何度も何度も、慎重に確認作業をして、意を決して鋏を入れます。もう後戻りはできません。前進あるのみです。

裏地には、表の革と違和感がなく、ふっくらした形が作りやすいということで、淡いイエローの柔らかい革を選びました。まだお若いお客様で、バッグの形もかわいらしいので、優しく明るい感じに仕上げたいと思ったからです。

上下にギャザーを寄せることで、自然な丸みが出せて、サイズの調節も簡単にできました。

外側と内側をそれぞれに作ってしまったら、重ねて、口の部分をパイピングして縫い合わせます。

 

最後に持ち手を付けたら完成です。持ち手は元々ついていたものを使用し、根元に裏地と同じ革を巻きつけて強度と一体感をだしました。

取り付け位置は元の位置と違うので、あらためてリングのハトメをつけ、元々ついていたリングは、そのまま飾りとして残しました。

新しい命を吹き込まれて蘇ったバッグの完成

とってもかわいらしい、ふっくらとしたトートバックが完成しました。

製作途中で、予想外の難問が何度もでてきて、その度に悩み、考え、相談し、一つずつクリアして作り上げた作品を手にしたお客様が、満面の笑顔で喜んで下さった瞬間は、何物にも代えがたい満足感と喜びを感じることができました。

思い入れのある革製品を、形をかえて甦らせたいという方は、無理難題であるほど、闘志と創作意欲とアイデアが湧き上がる鷹工房の職人にお任せしてみてはいかがでしょうか。

鷹工房は、一針一針心を込めて 皆様の夢を形にするお手伝いをさせていただきます。

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